空港までは歩かない 前編
2020年9月18日に東京モノレールの昭和島駅から天空橋駅の区間を徒歩で巡った。今回はその記録の前編である。
1.モノレール浜松町駅から昭和島駅へ
起点は浜松町駅。ここから東京モノレールに乗車し昭和島駅を目指す。実は東京モノレール浜松町駅の正式名は「モノレール浜松町駅」らしい。""浜松町駅""はJRだろうがモノレールだろうが""浜松町駅""だと思っていたので驚いた。(正直そこまで驚いてはいない)
JR浜松町駅の改札を抜けモノレール浜松町駅のホームへ上がる。平日の昼間にしては人が多く感じられた。どうやら羽田空港第3ターミナル駅までノンストップで走る空港快速を待っているようだった。私が目指す昭和島駅は空港快速も区間快速も停まらない。この列車には用無しである。
結局この空港快速と次発の区間快速を見送った。京浜急行電鉄や各社空港リムジンバスと競合している東京モノレールにとって空港までのアクセスが最も重要なのであろう。10分ほど待って各駅に停車する普通羽田空港第2ターミナル行きが来た。そのころにはホームにいる人は疎らになり、普通の車内も閑散としていた。
モノレールは11分で昭和島駅に到着した。下車したのは私を含め4人ほど。ホームからはモノレールの車両基地である東京モノレール昭和島総合センターが見える。昼下がりの静寂の中、爆音を轟かせて高速で通過する後続の空港快速。どこか寂しい雰囲気の駅であった。目的はモノレールじゃない。ここが(昭和島駅)がスタート地点である。
2.昭和島から大森を目指す
改札を抜けると首都高速1号羽田線が目に飛び込んでくる。駅前にはコンビニすらない。昭和島駅がある大田区昭和島の人口は0人、周囲は工業地帯になっている。
羽田線の下をくぐり大森東避難橋へ向かう。この橋を渡ると大田区大森に入る。案内板によると大森東避難橋は1972年に昭和島への仮設道路として建設されたのち歩道橋として整備されたものであるらしい。愛称は見晴らしばし、その名の通り見晴らしは良く大森方面を望むことができる。残暑の熱風と羽田線の騒音を全身に浴びて橋を渡った。
3.森ケ崎公園展望台と羽田可動橋
大森に入り森ケ崎公園を目指す。大汗をかきながら昭和島から25分かけてたどり着いた。この森ケ崎公園は森ケ崎水再生センターの屋上に設置されており、羽田空港を望むことができる展望台も存在している。展望台からの眺めは良く、羽田空港から離陸する飛行機も見ることができるのでおすすめである。
森ケ崎公園のほど近くには休止状態の架道橋がある。1994年に湾岸線(空港中央入口~大黒JCT)が開業する以前、羽田トンネル付近の渋滞は深刻であり、それを解消するための迂回路として1990年に開通した。その後は湾岸線の開通に伴う渋滞の緩和などもあり1998年からは休止状態になっている。国内では珍しい旋回式の架道橋である。
静寂の中、旋回部が開いたままで放置されている可動橋の様子は「シュール」であった。間近で見るとどこか不気味であり、額の汗が引いていく感覚がした。
旋回部から本線との合流部まで高架が伸びており、高速道路でおなじみの緑看板が存在している。よく見ると最近の仕様と思われるものに更新されていた。今後使用されることを踏まえて新しくしたのであろうか。
前編はここまで。後編は近日公開したいと思う。